「繊維産地」の再生 〜産地の技術を現代の暮らしとつなぐ | 光井 花さん〈1〉【DESIGNTIDE TOKYO 2024 公開収録】
「デザインの手前」は、デザインに関わる編集者2人が、さまざまなクリエイターをお招きし、デザインの本質的な価値や可能性についてお話しするトークプログラム。ニュースレターでは、最新エピソードの内容をテキスト化してお届けしています。今週から、DESIGNTIDE TOKYO 2024で行われた「デザインの手前」の公開収録の内容を配信していきます。最初に登場するのはテキスタイルデザイナーの光井花さんです。
伝統的な技法を現在的に解釈する
原田:今日は、「デザインの手前」というポッドキャストの公開収録という形で、「DESIGNTIDE TOKYO 2024」に出展されている3組のデザイナーにご登壇いただきます。今回のイベントのタイトルは「サステナブルの先、リジェネラティブの手前」です。「サステナブル」という言葉は色々なところで聞くと思うのですが、自然環境や社会のシステムなどを持続可能にしていこうということですよね。そこには現状を維持するとか、何かを保全するというニュアンスがありますが、一方で「リジェネラティブ」というのはもう少し先の概念で、自然環境を中心としたものをデザインの活動を通していかに再生・回復していけるのかという考え方です。そういう意味で、よりポジティブに環境などに関わっていこうということになります。「リジェネラティブデザイン」という言葉も最近少しずつ聞くようになっていますが、具体的な事例やアプローチは領域ごとにだいぶ異なると思っています。その中で、あまり抽象的、概念的な話をしてしまってもと思っているので、今日はご登壇いただく3組それぞれの実践の延長線上で、サステナブルな取り組みや、その先のリジェネラティブというところにどんなアプローチができるのかということを考えていけるような場にしていけると良いかなと思っています。
山田:まず一人目は、テキスタイルデザイナーの光井花さんです。よろしくお願いします。
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光井:よろしくお願いします。私は、東京をベースにテキスタイルにまつわるデザインをしております。多摩美術大学のテキスタイルデザイン専攻を卒業し、その後Royal College of Artのテキスタイル科を修了しました。その後、イギリスから帰国してイッセイミヤケに入社し、テキスタイルのデザイン・柄を描いたり、刺繍のテクスチャーをつくったり、テキスタイルにまつわるデザインやカバンのデザインを担当して7年ほど働いておりました。その後、2023年の年末くらいから徐々に自分の活動を始めて、2024年4月にイタリアのミラノサローネで35歳以下が出るサローネサテリテでテキスタイルを発表したことをはじめとして活動を開始いたしました。9月には、Hana Material Design Laboratoryという名前で会社を設立し、協力者の方々と一緒に広めていけるような活動をしていければと思っております。
光井:活動のコンセプトは、日本に古くから受け継がれてきた伝統的と言われるような技法を再解釈し、いまの時代・生活においていかに新しく使っていけるのかなということを探ることです。きっかけとなったのはイギリスの大学院に通っている時に、日本の古いテキスタイルの技法をリサーチしていく中で、裂き織りと呼ばれる技法に出合ったことです。裂き織りというのは簡単に言うと、古くなった着物をカットして、織物の横糸に再び利用するという技法です。東北地方の寒いエリアでは、なかなか綿や絹を手に入れることができず、とても貴重なものでした。そういうこともあって、古くなってしまった時にどうすればまた使うことができるのかと考えた末に生まれのが裂き織りという技法でした。
そこに私は凄く感銘を受けて、その哲学やコンセプトはいまの時代にも使えることがあるんじゃないかなと思って、「ジョンカルダーファブリック」というロンドンのポリエステルなどにプリントをする会社に協賛して頂いて、ファッション業界に使われているプリントの生地で、プリントミスがあるものやコピーライトの関係で使えないものが大量にあるので、それらを集めて繊細な裂き織りの糸にして再び使うということを考えました。これはとても手が込んだ技法なので高価なものになります。デザインによって付加価値を与えることでラグジュアリーマーケットでも使えるような布にする。ポリエステルの安価なプリント生地に価値を加えて再び提案するというプロジェクトをやっておりました。たまたまその時の教授が、アレキサンダー・マックイーンのテキスタイルのディレクターで、このプロジェクトの考え方が素晴らしいから何か一緒にやろうということになり、京都の職人さんとコラボしながら生地を発展させていき、最終的に2025年の春夏コレクションで教授と一緒に取り組んだ生地を発表することができました。この時は、京都の民谷螺鈿さんという螺鈿を和紙に貼り付けて細くカットしたものを横糸として織り込んでいく技法を研究している職人さんたちがいらっしゃったのですが、その方々に代わりに布を細く裂いたものを使えないかと相談して、このコレクションのために仕立てていただきました。
山田:裂き織りは最近海外のの方からも注目されていますよね。人がコントロールができない新しいグラフィックができたり、凄くユニークなものになる上に、再生性というものもあって面白い技法ですよね。それを2015年にはもう使われていて、コレクションでも発表されていたのですね。
光井:そうですね。ヨーロッパはその当時、いまから10年前くらいがそのトレンドというか、「何か新しいものでつくろうよ」という教育を大学院自体もしていた時で、課題も「サステナビリティとテキスタイル」というものがあって、リサーチを踏まえてテキスタイルとして何が回答できるのかということを教育の中で学びました。
イッセイミヤケに入社した後は、必ず一緒に働く産地の職人さんのもとにいって、実際にどんな風に織られているのか、生地がつくられているのかを見ながらデザインをするということを教えていただきました。その中で、マックイーンの時につくったような生地にはやっぱり可能性があるから、もうちょっとだけ量産性のある、マックイーンほどハイエンドではないカジュアルなラインでも使えないかということを会社にいる時から考えていて、独立した際に京都の産地などを巡る中で、プリントの布をカットする機械を見つけました。京都の和紙などを櫛状になったハサミみたいなもので加工して、スリット状の糸をつくっているメーカーさんがあって、そちらと一緒に廃棄されたプリント生地をまた再び糸にするということを独立してから始めました。
その際にdoubletさんと出会い、面白いことやっているから一緒にやろうということで、彼らの2023年春夏コレクションのものをつくりました。その際は裸柄のプリントで、裂き織りを面白くするという提案なのですが、職人さんに再び編み直してもらって、肌色のトーンのグラデーションのビキニみたいなルックになりました。
光井:バックグラウンドに英文字みたいものがあるのが元のテキスタイルの柄ですが、糸に加工する際にグラフィックがバラバラになって、グレーと黒のシマシマのような面白い糸に仕上がります。それを自動織機にかけることがこれまではできなかったのですが、工業的にこの糸を生産することによってレピア織機にもかけることができたので、ほぼ全自動で裂き織りをつくり上げることに成功しました。裂き織りをジャガード織機で織れるので、パターンがグニャグニャ曲がっているストライプ柄になっているのですが、これは花柄にもできるし、どんな柄にもできるような応用可能な裂き織りを開発しました。ミラノサローネにいくつか持っていった中のひとつで、裂き織りの柄が混じり合ってグニャグニャのストライプになり、目が錯覚するような布も提案しました。
この技法は作品で終わらせずに、私が目指していた中量産可能なところまで持っていくことができました。テキスタイルが素晴らしいところは、ちゃんと使えて生活の中に落とし込めるところだと思っているので、一旦ここまでたどり着いて、本当に皆さんに使っていただける布にしたということで、ある一定の到達点に来られたと思いました。
新しいものをつくることの重要性
光井:私が裂き織りに夢中になっている中で、色んな産地で「何か余っている布があったら下さい」と回っていたのですが、その際に「光井さん、余っているものばかりかき集めてないで、何か新しいものをつくってください」と言われたんですね。例えば、私がブランドや会社をやって生産をすることで職人さんたちの仕事が回っていくから、古いものをかき集めて再利用するのも素晴らしいけど、違う意味でのサステナビリティとして産地を守っていくために、仕事をずっと続けていくためには新しいものをつくることだって凄く大事なんですよと話してくださった職人さんがいて、「たしかにその通りだな」と。その後、産地を巡る中で出会った久留米絣の職人さん、下川強臓さんという下川織物の職人さんと次はコラボレーションをすることにしました。
久留米絣は先染めの織物で、最初に柄を設計して染め分けて、横糸や経糸を染め分けて織っていくことによって柄をつくる織物です。その時にどうしても生じてしまうブレ、人の手ではコントロールできないブレというものが本当に美しいなと思ったので、それを人に伝えたいと思い、どんな人でも知っている現象に置き換えて伝えようと考え、目の錯覚と久留米絣を合わせて「錯覚の久留米絣」をつくりました。
こちらもミラノサローネに持っていって、メインとして飾っていたのですが、皆さん凄く急いで歩きながらサローネを回る中で、この布をインスタレーションのように展示していたんですね。そうしたら、凄く動いて見えたみたいで、皆さんが現象に興味を持って私のブースに入っていらっしゃって、「これはどうやってできているんですか?」といった話になったので、コミュニケーションも取れたし、良かったなと思いました。
光井:下川さんとの取り組みでは、私は個人のデザイナーとしてミラノサローネのサテリテに出したのですが、下川織物としても私と一緒につくった生地を、プルミエールビジョンの中でも特に限られた職人技のメーカーが出せるメゾン・デクセプションというコーナーで発表しました。こちらはBtoBの催事で、皆さんがよく知っているラグジュアリーブランドのデザイナーさんやテキスタイルのバイヤーさんなどがいらっしゃる場になってます。それぞれ違うマーケットに持っていくことによって、反応の違いだったり、久留米絣の新しい可能性を探ることができ、とても良い体験になりました。
そしてこちらが、DESIGNTIDEに出展している作品です。福岡県で掛川織と呼ばれる、染めたイグサを使ったカラフルなゴザを生産する産地がありました。そちらの産地で初めてゴザを見た時に、家に畳がないような家で育った私は、「こんなにカラフルな畳がこの世に存在したんだ」と凄く感動して、「ゴザで何かつくりたい」とアイデアを閃きました。その面白さをより多くの人に伝えるために、どんな年齢・国籍の人でも知っているモナ・リザというモチーフを掛川織という伝統的な組織の形に分解していくと、まるでそれがデジタルピクセルのように見えるという作品になっています。
光井:実際に写真で撮ると「モナ・リザ」なのですが、実際に近寄って見ていただくと、イグサの横糸の色の重なりのストライプの入れ替えだけで陰影を表現しています。一枚につき6枚のイグサを使っていて、6色のイグサの組み合わせを変えていくことで13通りの明暗をつくっています。その13通りの明暗をモナリザの原画を見ながら分割していくことで、不思議な陰影が生まれています。
こちらにあるのが掛川織の伝統的なパターンになっていて、これをイケヒコさんという今回一緒に作った会社のショールームで見た時に、本当に古いものなのにデジタル分解されたピクセルみたいな雰囲気があって、それが凄く面白いなと思ったところからこの作品が生まれました。「イグサで出来た畳やゴザってテキスタイルだったんだ!」とその時に思い、これをなるべくわかりやすい形で皆さんに伝えるということを考えてつくりました。実際に展示場に立っていると、「たしかにゴザってテキスタイルだ」ってみなさんに言っていただいていて(笑)、今回の目論見としては成功したのかなと思いました。
「繊維産地」の再生
原田:光井さん、ありがとうございました。例えば、裂き織りという伝統的な技法がそもそもサステナブルなものであり、それを現代的に解釈して多くの人に見てもらえるようなコミュニケーションを設計するということも含めて、色々なところでデザインが使われているという印象がありました。また、アパレル業界におけるブランドイメージや著作権にまつわる課題を、布を裁断していくことで解決していくということも含め、環境に対する負荷の大きさが指摘されていアパレル業界における課題を、デザイン的な知恵と伝統的な技法を使って解決されている非常に良い取り組みだと思って聞かせていただきました。
光井:ありがとうございます。
山田:ファッションの世界では、ロールで布をつくってしまうと皆さんの想像以上に「そんなに大量に余るの?」と感じられると思うんですよね。これらを実際の製品に使うことが難しく、どうしてもロスが出てしまう布の量というのが一定数あるんですよね。そこに対するアクションをどうしていくのかというのは近年のファッションの大きな課題のひとつですよね。
原田:そういう意味では、廃棄されたものを再利用するだけではどうしても解決できないスケールの話になってくる。その辺については先ほど三井さんもお話しされてましたよね。この辺りの話にもつながってくると思うのですが、今回光井さんに「再生したいテーマ」というものを考えていただいています。「繊維産地の再生」というテーマを選んでいただいた理由はどんなところにあるのでしょうか?
光井:私は小さなたった1人のデザイナーなので、私の活動によって繊維産地が突然復興したり再生するわけではないのですが、活動の理念として、自分が携わることによって、例えば今回の展示で言えば「カラフルなゴザがあったんだ」とか、「じゃあ私も買ってみようかしら」「今後畳で作品をつくってみようかな」などと思ってもらうことで、少しずつ認知度を上げたり、影響が与えられるような作品や製品をつくっていきたいなと思っています。それを通して、少しでも皆さんの発見や学びにつながるものになればいいなと。少しずつ間接的であったとしても、それが産地の再生につながっていけばいいなと思っています。
原田:「再生」するということは、現状があまりよろしくない状況があるということだと思うのですが、具体的にはどんな課題が大きいのでしょうか?
光井:中国製など安くて良いものがたくさん出てきている中で、「なんでわざわざ日本でつくる必要があるのか?」という課題があると思います。その意味では、やはりどうしてもここじゃないとつくれないという特別感がないと今後結構厳しいのかなと。私が言うのもなんですが、そういう課題がある中で少しずつこういう取り組みをし始めています。
原田:日本の繊維の技術や産地の品質は世界的にも高く評価されていて、海外の一流のブランドなどでも使われているという話はよく聞きます。それでもやっぱりなかなか厳しい現状があると。
光井:もちろん、例えば先ほど言った民谷螺鈿さんもディオールとコラボレーションしたりということはあるのですが、それが継続的に行われているわけではないんですよね。今シーズンはしたけど、来シーズンもオーダーがあるのかというのは別の話ですし、産地がずっと継続していくためには仕事がコンスタントにないと難しいですよね。海外のブランドと日本の産地をつなぐ仕事のお手伝いというのも、イッセイミヤケを退職した後にやったことがあるのですが、継続性という点で凄く難しいなと思いました。もちろん、海外の方にアプローチを続けていくことは大事だし、それによって日本の付加価値も高まるし、素晴らしいこと、誇るべきことではあると思うのですが、それと日々の継続した仕事とのバランスがちょっと難しいかなと。
山田:デニムなど毎シーズン出てくるファブリックであれば比較的継続性が高いですが、やっぱりコレクションというアート性の高い表現をされるところに合わせてつくる布となると、毎シーズン使われるかと言うとなかなか難しい部分がありますよね。
光井:そうですね。
山田:その時にそういった技術をどこに継続して使っていけるのかということは、デザインが結びつけることができるかもしれないのかなと。
光井:ファッション、服だけではなく、カバンにもなるかもしれないし、ラグやインテリアの小物にもなるかもしれないということで、独立した立場だからこそできるような、ファッションの会社にいた時とは違う提案をしていければいいなとは思ってます。
山田:ミラノがまさにそういう意味では、色々な方々との接点になるわけですよね。
光井:そうですね。いままでの仕事で出会う方々とは違った種類の方たちと出会い、見るポイントや反応するところが結構違うんだなと勉強になりました。
テキスタイルデザイナーだからできること
原田:廃棄される布を活用していくだけではなく、もう少し俯瞰した目線で循環のあり方などを考えていくということが続いていくためにはどうしても必要になってくると思うのですが、単発で終わらない仕組みづくりみたいなところにテキスタイルデザイナーである光井さんができることはどんなことがあるのか、実際にこういうことを始めているということなどもお聞かせいただけますか?
光井:主に2つありまして、ひとつは先ほどお話ししたように、これまではデザインスタジオみたいな感じで一人でやっていたものを、協力者を見つけて会社にして、例えばイグサや畳などその時々でテーマを決めて、ちょっとマニアックであまりいままでテキスタイルのデザインに関わる人が手を出してこなかったようなものをピックアップしてリサーチして、それを開発して発表して、購入してもらうという流れをつくることです。メーカーさんがいつも売っているところとはちょっと違う市場に手を出せるような仕組みをつくれたらというところを目指しています。
もうひとつは、いま多摩美術大学のテキスタイルデザイン専攻で非常勤講師をしておりまして、私の小さい活動ですが、自分がやっていることを通して「テキスタイルにそんな提案もあるんだ。そういう可能性もあるんだ。じゃあ私もこういう作品をつくってみようかしら」とか、「ちょっと産地に行って働いてみようかな」というきっかけづくりになればいいなと思っています。
山田:先ほどおっしゃってた中量生産というのが大事な部分だなと思っています。裂き織りの布を裂いて糸状にしていく時に、その糸幅がジャカードにかけられるかどうかというところだと思うんですね。
光井:よくご存知で。
山田:その幅が何ミリまでいけるのか、それによってどういう表現ができるのかというのは、やはり包括的にデザインという視点からものを見ていないとできないことですよね。ワンオフのアート作品、アートピースをつくるのではなく、どういう風に生産のラインに乗せていくのかというところまで考えることが、光井さんにとっての産地再生につながるところなのかなと。
光井:そうですね、まさに。
原田:ファッションはよく川上、川下といった言い方をしますよね。サプライチェーンがずっとあって、繊維から糸になり、布になって、製品になるという流れの中で、テキスタイルの部分は川下にも通じるし、より素材に近いところにもあって、仲介する役割という立ち位置にいると思うんですよね。そういうところでやれることというのは、製品をつくっているデザイナーよりもそれこそ手前の段階で、環境や仕組みのことを考えられる立場でもあるのかなと。そういう意味で、テキスタイルデザイナーにやれることは実は凄く色々ありそうだなというのは思うところではありますね。
光井:そうですね。どの立ち位置にいるテキスタイルのデザイナーなのかということもかなり関わってくると思います。工場の中にいるテキスタイルデザイナーだったら、生産工程の中で何か減らせる部分とかサステナビリティを考えられるかもしれないし、イッセイミヤケのような会社のインハウスのテキスタイルデザイナーだったらまた違う立ち位置からの視点があるのかなと思いますね。
原田:たしかにデザイナーと一言で言っても、本当に色んな領域、色んな場所にいるので、自分がいまいる場所で何ができるのかというところが結局は大事なことなんでしょうね。
山田:デザインは本当に色んなことができるので、僕も先日沖縄に行っていて、首里織という伝統的な刺繍の表現があって、糸幅を変えて織ることによって透かしの柄をつくるという技法なんですね。職人の女性の方々がやっているのですが、それもまさにデザインだし、それによって出てくる美しさというのが、単色なのに奥行きがあるという素晴らしいものでした。そういう意味で光井さんの場合は、どうやったら産業化していくのかというところが凄く大事なのかなと。
光井:おっしゃって頂いたように職人さんというのはメチャクチャデザイナーというか、自分で図案を描いて自分で織るので、「こうした方がいいな」という気付きからどんどん改良・洗練され、テキスタイルデザイン自体も凄く素敵なものになっていくんですよね。私は自分で織るようなことは学生以来していないので、その辺で関わろうとしてもなかなか難しいところがあるので、逆に会社にいたり、そこで得た知識をもとに、全体的に見てどうしていくのが良いかなということをより広い視点でできたらと思っています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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