作品のクオリティを左右するデザイナーの“楽器”をつくる | nomena・武井祥平さん 〈1/4〉
「デザインの手前」は、デザインに関わる編集者2人が、さまざまなクリエイターをお招きし、デザインの本質的な価値や可能性についてお話しするトークプログラム。ニュースレターでは、最新エピソードの内容をテキスト化してお届けしています。2026年最初のゲストは、エンジニア集団・nomenaの武井祥平さん。初回のエピソードでは、デザイナーのイメージを具現化するエンジニアリングをテーマにお話を伺いました。
多くのデザイナーと協働するエンジニア集団
原田:2026年、あけましておめでとうございます。
山田:おめでとうございます。
原田:今年もよろしくお願いします。
山田:よろしくお願いいたします。
原田:「デザインの手前」は2024年の4月にスタートしたので、3年目に入っていく年になります。2026年の新しい試みとして、お便り投稿フォームを設置してみました。ポッドキャストはYouTubeなどに比べると、コメントを書き込んでくださる方が少ないという傾向があるので、このお便りフォームをつくってみました。
番組のご感想、ご意見、ご要望、あるいはご相談みたいなことも含めて、どんなことでも構わないのでメッセージをお寄せいただけるとうれしいなと思います。
山田:こんな方の話を聞きたいという方がいらっしゃれば、ぜひリクエストいただいて、参考にさせていただきたいと思います。
原田:内容次第では、番組内でご紹介できるものもあるかなと思っていますので、ぜひ概要欄にある投稿フォームのリンクからお気軽にお便りをお寄せいただければと思います。ということで、 2026年、「デザインの手前」をよろしくお願いします。
山田:よろしくお願いいたします。
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2025年12月に4回にわたって配信した建築家・山田紗子さんのシリーズを振り返るダイジェスト記事をnoteに公開しました。こちらもぜひご覧ください!
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原田:本日は新年最初のゲストをお迎えしています。エンジニア集団・nomenaの代表である武井祥平さんです。武井さん、よろしくお願いします。
武井:よろしくお願いします。
山田:よろしくお願いします。
原田:いま僕らは浅草にあるnomenaのオフィスに伺っているのですが、非常に広い場所ですね(笑)。
武井:声が反響してしまって、すみません(笑)。
山田:凄く良いビルですよね。
原田:全部で4フロアあるのですが、1フロアずつとても広いですね。
山田:ちょっと長屋のようでいて、海外のギャラリーなんかにもありそうなくらい天井も高いですよね。もともと倉庫でお使いになられていた場所なのですか?
武井:そうですね。もともと浅草の木材問屋さんが、倉庫として使うために建てたビルなのですが、そこをnomenaで5年前に借りさせていただいて、色々改装しながら使っています。
原田:僕らも以前お伺いした時にご案内いただいたんですけど、本当にどんなものでもつくれそうなくらい資材や設備が揃っていますよね。そんなnomenaのスタジオの一角をお借りして、ここから4回にわたって色々お話を伺っていければと思います。
まずは、武井さんのプロフィールをご紹介させていただきます。
武井祥平さんは1984年、岐阜県出身のエンジニア、リサーチャーです。高専で電気工学、大学で認知心理学を専攻した後、2006年から2010年まで丹青社に勤務されました。
2012年に東京大学大学院情報学環・学際情報学府修士課程を修了し、同年にnomenaを設立。工学的な発想から生み出される独自の空間表現を軸に、アーティストやデザイナーとの共同制作におけるテクニカルディレクションも数多く手がけられています。
これまでの主な仕事に、大阪・関西万博 日本館ファクトリーエリアにおける水のアートの企画サポートおよびシミュレーションソフト制作、BLUE OCEAN DOME のドームAアートピース制作、東京2020オリンピック・パラリンピックの聖⽕台主任機構設計者などがあります。
また、21_21 DESIGN SIGHT『ルール?展』、TAKEO PAPERSHOW、SEIKO SEED『からくりの森』などの展覧会では、オリジナル作品の制作発表もされています。
2024年には個展『まだ意味のない機械』を開催し、同年の毎日デザイン賞を受賞したほか、文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞、ADC Awards Special Design、日本サインデザイン協会SDA賞 優秀賞、DSA 日本空間デザイン賞 金賞など、多数の受賞歴があります。
では武井さん、ここから4回にわたってよろしくお願いします。
武井:よろしくお願いします。

仕様が決まる手前のコミュニケーション
原田:プロフィールにもご紹介させていただいた通り、nomenaはこれまで色々なデザイナーと協業されていて、「デザインの手前」に出ていただいた方だと、TAKT PROJECTの吉泉 聡 さんや、原研哉さんが企画を手がけられている大阪・関西万博のBLUE OCEAN DOMEなど、本当に錚々たる日本のデザイナーと協働されています。そこで1回目は、デザイナーとの協働をテーマにお話を伺っていきたいなと思っています。
nomenaのお仕事は、機構の設計、動きのデザイン、技術支援、テクニカルディレクションなど色々な言葉が使われている印象があります。一言で言うと、エンジニアリング的なことだとは思うのですが、デザイナーなりアーティストが実現したいものがある中で、黒子的にそれを実現する技術的な支援みたいなことをされるケースがやっぱり多いのかなと思っています。こうしたプロジェクトは、どういう形でスタートすることが多いのでしょうか?
武井:色々なパターンがあって、かつては「こういうものをつくりたいと思っていて、他の条件は固まってるんだけど、この部分だけ誰に頼んだらいいかわからない」みたいなご依頼のされ方が多かったかなと思います。
最近は、もう少しプロジェクトの最初の段階から、「こんなようなことをしたいと思っているんだけど、多分難しいことがあるから、相談相手としてチームに入ってくれないか」ということも増えています。後者の場合は、テクニカルディレクション的な立場かなと思いますし、割とやることが決まっている前者の場合は、エンジニア的なポジションかなと思います。
もともとはテクニカルディレクションとか、ものづくりの技術的なところでサポートしてもらいたいという思いで相談をくださるのですが、だんだん話をしていくと、自分自身がスタイリングするわけではないのですが、「これはこういうスタイリングでいいんでしたっけ?」みたいな話になっていく。どうしても作品のタッチやディテールがエンジニアリングによって決まってしまう部分が結構あるのですが、「そのディテールが、その作品としていいんでしたっけ?」みたいな部分をしっかりコミュニケーションを取って取り組む意識をしています。そういう意味で、普通の技術者への頼み方とはちょっと変わってきているんだろうなと。
例えば、三澤 遥さんの仕事は、そういう部分を期待されて頼んでもらっているように思いますし、TAKT PROJECTにしても、おそらく原研哉さんにしても、そういった期待をされてご依頼いただいてるんじゃないかなと思うので、そういうところにも応えられるように、コミュニケーションを大事にしてものづくりをしていますね。

山田:あくまで表現があり、それを支えるものとして技術があるわけですが、デザイナーの方に大きな案があって、それを受けて武井さんが参加されて、どのようにそのアイデアがキャッチボールされていくのかというところを今日は解きほぐしていけるといいなと思っています。
武井:例えば、一般的な技術者だと、まず仕様を決めようというところで、開発に必要な要件を定義していくと思うんですね。当然そういう作業もある一方で、デザイナーさんがイメージしているものの本質的な部分は何なのかというところを考えていくようにしています。
言葉で言われていることを実現しようとした時に、いくつかのグレードがバリエーションとしてあるんですね。言われたものをそのままそっくり実現するのはちょっと難しいかもしれないけど、一部妥協すると実現できる可能性はあるという時に、どこを妥協していいのかみたいなことを判断するには、デザイナーさんのイメージの本質的な部分が理解できないと、そこの深掘りができないという感覚があるんです。例えば最初の方で、「こういう方法でこういうものを実現したら何か違う感じがしますか?」ということを聞いたりします。やろうとしていることを実現できる方法はいくつか考えられるんだけど、この方式だとおそらくこういう結果が現れて、それぞれにメリット、デメリットがあるということを示すことで、この中だとこれはないねとか、これは割と近いかもしれないみたいな話になっていく。
おそらく、デザイナーの頭の中でも最初の時点では固まっていなかったものが、徐々にその輪郭を意識できるようになってくるというプロセスが、技術の検討の中でも行われていくところがあるのかなと考えていますね。
原田:そのすり合わせは具体的に動くものとか、プロトタイプをつくってやり取りをすることが多いのですか?
武井:そうですね。規模によりますが、例えば机の上に乗るくらいの作品をつくる時には、その日のうちに動くプロトタイプをつくることもあります。例えば、三澤 遥さんとつくった「動紙」でいうと、アクリルをレーザーカットして、そこにモーターをつけて、磁石を装着したものをお渡しして、「これで色々やってみてください」みたいな(笑)。やってみると何かつかめるかもしれないですねと言ってツールをお渡しするということをしたりします。
オリンピックの聖火台とかになるとそういうことが簡単にはできないので、机上のシミュレーションというか、例えば世の中にある似たような事例を引っ張ってきて、「こういう方式だとこれぐらいのサイズ感のものになってしまうかな」といった話をしていくことが多いかなと思います。
原田:ブランディングやコミュニケーション領域のデザイナーは、クライアントに対してある種カウンセリング的に、そもそもその課題で合っているのかということから聞いていくという話はよく伺います。武井さんはある意味それをデザイナー相手にやっていく側面があるのかなと思ってお話をお聞きしていました。
武井:なるほど。そんな偉そうに「そのゴールで合っていますかね?」みたいなことはあんまり言わないですが(笑)、自分が見てみたいと思うものをできるだけやりたいなとは思っています。例えば、TAKT PROJECTの吉泉さんから「こういうことをやろうと思っています」と言われた時に、「それ、めちゃくちゃ面白いですね!」と思って、それをどうにか実現できないかなというところから色々アイデアを生み出すモチベーションが湧いてくるという感じです。
やっぱりアイデアを持っているデザイナーの意向が大事だと思っているし、彼らが追求したいものにちゃんと近づいてるかどうかが大事かなと思っています。これからやろうとしていることが、クライアントであるデザイナーにとって本当に実現したいものになっているかということを確認しながら進めているという感じですね。
表現者のための楽器をつくる
原田:仕様書が固まる前の段階で色々やり取りをしていくところが一般的なエンジニアリングの仕事と違うという話がありましたが、そこのやり取りをしていく中で、逆にデザイナー側の伝えたいイメージや与えたい印象そのものが変わっていくようなこともあるのでしょうか?
武井:“ある気もする”という感じですかね(笑)。実際に三澤さんとかはそういうふうに言ってくださっていて、言葉にしづらいようなイメージの状態から相談してくれることがあります。そういう相談を受けた時に、僕がどういうリアクションをするかというところを見て、彼女の中で何かにつなげようとしているような感じも正直あります。相談の壁打ち相手みたいなものとして、僕が機能しているところもあるだろうなとは思いますね。
原田:先ほど三澤さんとの協働の中で、「ツールを渡す」という話がありましたが、おそらくそれによって、三澤さん自身がやりたいことが180度変わるということはないと思いますが、ツールを触っていく中で、三澤さんの中でやりたいことが明確になるという部分は結構あるんじゃないかなという気がします。
武井:それはありますね。感覚としては、楽器づくりとかに近いのかなと思っています。音楽の演奏家や作曲家は、音楽の中では表現者としていますが、彼ら彼女らが演奏する内容というのは、何で演奏するのか、どの楽器で演奏するのかとか、同じバイオリンでもどの作者がつくったバイオリンで演奏するのかといったものによって、クオリティが変わってくる。nomenaというのはそういう位置にあるのかなと思ったりしますね。
山田:エンジニアリングは、論理的思考として捉え方をされがちですし、実際そうだと思うのですが、nomenaの表現は結構ポエティックというのか、非常に抽象化された考え方のもとで発展していきながら表現に至っているのかなと思います。いままでお名前が挙がっている方々は、クライアントのプロジェクトだけではなくて、自主研究的な作品も並走しながらつくられていると思うのですが、そういう意味では、明快にクライアントが決まっていたり、ゴールが決まっているプロジェクトもある一方で、結構曖昧に何年も並走するみたいなこともあるのでしょうか?
武井:あると思いますね。 特に何度も例に挙がる三澤 遥さんの「動紙」というシリーズは凄く長いプロジェクトで、ある意味終わりがないというか。三澤さんのプロジェクトは基本的にそうなのですが、ひとつのテーマをずっと掘っていく中でどんどん新しいアプローチが開発されていくようなものなんですよね。
基本的には、三澤さんが起点になって、「今度はこういうことをやってみようと思うんですけど、どういうやり方がありますかね」みたいなことを聞いてもらうことが多いかなと思います。
依頼してくださる作家さん自身も、クリエーションの根幹に関わるところまでnomenaに相談してしまうと、それはnomenaの作品にもなっちゃうんじゃないかという気遣いみたいなものもあると思いますし、自負みたいなものもあるはずです。割とそこは意識して依頼してもらっているとも思うし、僕としても「ここまで自分がアイデアを出してしまうと、それはその人の作品にならないんじゃないかな」みたいなところは割とブレーキをかけながらやっている感じがありますね。
デザイナー的思考とエンジニア的思考
原田:デザイナーとエンジニアというのはあらゆる領域でコンフリクトを起こしやすいというか、それぞれ価値を感じる部分が違うからこそ、すり合わせに苦労する場面も多いと思うんですね。そもそも、デザイナーとエンジニアにはそれぞれ考え方にこんな特徴があって、だからなかなか噛み合わないとか、ここをこうすればうまくいくとか、そのあたりで課題感を持っている方も多いと思うのですが、武井さんとしてはその辺をどうお考えですか?
武井:いくつか違いはあるなと思っています。まず、デザイナーとエンジニアだと、働く直感のタイプが違うということがあります。デザイナーは、「こういうものがあるべきだよね」といった理想像がまず頭に浮かんでいるんだろうなと思いますが、エンジニアはあまりそういうゴールのイメージがパッと思い浮かぶというよりは、そこまで行く道のりにどんなバリエーションがあるのかということへの直感が働きやすい。こっちのアプローチは筋が悪いなとか、こっちはなんか良さそうだなといった直感が働くというのがあります。
また、これは少し偏見かもしれないですけど、美術系の方はまず手を動かして考える人が多い印象があって、最近僕もそれを心がけています。僕自身はもともとそういうタイプではなく、まず考えて何をするか整理してから手を動かす傾向がありました。工学系や理系の人は割とそういう人が多いと思います。
どちらにも一理ありますが、手を動かしながら見えてくるものはあると思っています。僕もCADで設計している時に、3Dのモデルを意味もなく色んな方向から眺めて、何を考えるでもなく見ていると、ハッと思い浮かぶことが結構あったりするんですよね。プログラミングも同じで、プログラムを組んでいる途中で、こういうやり方ができるんじゃないかみたいなことが浮かんできたりする。
やっぱり認知の射程には限界があって、ある程度助走がついている状態だと射程が長くなるのですが、その助走をつける過程が手を動かすということなのかなと最近は思っています。自分にはその辺りが少し足りなかったなとも思うし、まず手を動かすということも重要だと思ったりします。両者にはそうした違いがあると思うのですが、それぞれの良さをよく理解して補完し合っていくことができるといいんだろうなと思います。
山田:武井さんはキャリア的にもともと空間に関わるお仕事もされていますよね。この話は建築においてずっと課題なんですよね。構造計算だったり、いわゆる構造家という人と意匠設計をする人がそれぞれいる。
ただ、意匠設計をしながら構造もちゃんとわかって解ける人もいれば、もちろん考えていないわけではないですが、妹島和世さんのように非常に透明性の高い空間だとか、柱のない空間を実現している人がいて、石上純也さんとかもそうだと思います。そこにはテクニカルな部分でサポートするメンバーがいて、空間が実現していくところもあるんですよね。建築は割とポンピドゥー・センターのあたりぐらいから、そういう方向性が一般化していったところがあって、ジャン・プルーヴェなんかもそうですね。
武井:nomenaの活動を始めて何年か経ってから、セシル・バルモンドさんの存在を知って、これだなと思ったんですよね。 建築にはそういう人がいるんだと。意匠の設計をする人のパートナーとして、エンジニアとして建築に携わる人がいて、「セシルがいるからこの建築はできたんだ」と言われるようなものもたくさんある。僕もそういう存在になれたらいいなということを、ある時期から考えるようになりました。

原田:例えば最近だと、デザインエンジニアという職種も注目されてきていて、それもデザインとエンジニアリングがなかなかうまくつながらないという課題意識から出てきた新しい役割だと思います。そういう意味では、デザインとエンジニアリングが歩み寄っていくような流れは確実にあると思っています。
武井さんご自身は、もともとバックグラウンドがエンジニアリングの方にあって、そこからデザイナーとの協働を経て気づかされたことについても少しお話しいただきましたが、逆にデザイナー側がエンジニアリングに歩み寄っていくとか、良い関係性を築いていくという時にはどんな意識を持つのが大事だと思われますか?
武井:あまり言うと偉そうな感じになってしまいますが(笑)、僕がよくお仕事をご一緒するTAKT PROJECTの吉泉さんとか、三澤さんとか、YOYの小野(直紀)さんとかとの仕事では、それぞれ良いものができたという感覚があるんですね。何がプロセスを良くしているかを考えてみると、頼んでくださるデザイナー自身が凄く好奇心を持っていて、色々理解しようとしてくれるところがあって、それがやっぱり大事かなと思っています。
「ちょっとよくわかんないんだけど何ができますか?」みたいなことを漠然と聞かれるよりも、このプロジェクトにはどういう制約があり、どこをクリアするとどれぐらいジャンプができそうか、みたいなことに対して好奇心を持って、「こうするとどうなるんですか?」とか、「どういう仕組みなんですか?」といった具合に、技術の中身にも好奇心を持って知ろうとするという姿勢が、やっぱり限界を超えるためには凄く大事だと思うんです。技術に限らず、ものづくりに関わるさまざまな知識や現象に対する好奇心というのが、実装の段階においても凄く大事だと思いますね。
原田:デザイナーなり設計側、コンセプト側に立っている人たちが、エンジニアや技術に関わる人を、「実行者」とか「実装者」としてだけ見てしまうと、どうしてもそうしたコミュニケーションが生まれにくいと思うんですね。
nomenaのものづくりには、デザイナーとのキャッチボールの中で高め合っていくような関係があると思うのですが、そういう関係性を築くためには、デザイナー側の意識ももちろん大事ですし、逆にエンジニア側も受け身になるのではなくて、創造的な姿勢みたいなものを持てるといいのかなと。それを実際に体現しているのが、nomenaの活動なのかなという気はします。
武井:そうですね。たしかにエンジニア側にもそういう姿勢は凄く大事だと思います。どういうエンジニアリングをしたいのかにもよりますが、表現の領域でエンジニアリングをしっかりやっていこうとすると、どうしても言語化されていない仕様書に載っていない部分とか、ふわっとしたものだけど「なんかいいね」みたいなところを追求していく必要がある。
そういうところはやっぱり試行錯誤が必要で、どうしてもCADの中の世界だけで設計しようとすると限界があると感じています。実験しながらつくってみて、動かしてどんな感じがするかをみんなで見ながら、エンジニア自身も「これ凄く良い気がするんですけどどうですか?」とデザイナーに持っていくようなことも大事だと思うんですね。そういう意味での表現だったり、ふわっとしたものが共有されていくことへの好奇心みたいなものが、エンジニアには必要なのかもしれないなと思いますね。
原田:先ほど武井さんご自身の役割をわきまえるというか、あまり出過ぎないといった発言がありましたが、お話を聞いていると、ある種自分の領域を踏み越えて相手側に入っていく姿勢というのがあるのではないかなと。
武井:そうですね。実際にはあるかもしれないですね。
原田:nomenaの代表・武井祥平さんをお迎えする1回目では、「デザイナーのイメージを形にするエンジニアリング」というテーマで、デザイナーとの協働の話や、デザイン的な考え方とエンジニア的な考え方、そしてそれらが交わる場所などについて伺ってきました。
今回も少し話に出ていたように、nomenaが手がける作品はちょっと詩的な印象を与えるようなものが多く、余白のあるものづくりをされている印象があります。そこにつながるテーマとして、2回目は「受け手一人ひとりが意味を見出していけるものづくり」というテーマでお話を聞いてみたいなと思っております。
武井さん、今日はありがとうございました。
武井:ありがとうございました。
山田:ありがとうございました。

最後までお読み頂きありがとうございました。
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